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作家略歴

関 陽 (AKI SEKI)

埼玉県出身


1995年3月 ・・・ 法政大学社会学部卒業


活動暦

2008年5月 ・・・ GEISAIミュージアム2にてスペシャルゲスト(AKB48さん、他)から紹介される。(リンク

2008年11月 ・・・ 第34回現代童画展、入選

2008年秋~ ・・・ アートナビ(美術手帳と共有している携帯サイト)で紹介される。

2009年3月 ・・・ 個展『透明庭園』(木之庄企畫)

2009年8月 ・・・ Gallery156 コレクション展(木之庄企畫)

2010年11月 ・・・ GEISAI TAIWAN#2村上隆賞受賞

2011年5月 ・・・ GEISAI TAIWAN #2受賞者展, Kaikai Kiki Gallery Taipei

2011年10月 ・・・ 「第1回潮エッセイ大賞」のイラストを担当

2012年7月 ・・・ GEISAI#17 第2回抽選展示

2013年6月 ・・・ GEISAI受賞作家アート・トーク「ARTALK」Ustream中継、HidariZingaro

2013年10月 ・・・ TRANS ARTS TOKYO 2013

2014年10月 ・・・ 渋谷芸術祭実行委員会主催、第1回 SHIBUYA AWARD

2015年8月 ・・・ ASIA HOTEL ART FAIR SEOUL 2015(木之庄企畫の展示室にて)

2015年10月 ・・・ 渋谷芸術祭実行委員会主催、第2回SHIBUYA AWARDS、招待作家

2017年6月 ・・・ Independent台北

2019年11月 ・・・ 個展『淡水魚展』(滿足藝術中心、CHRISTY ART GALLERY、新北市淡水区、台湾)

2022年12月 ・・・ 青山学院大学 SOBUN ART AUCTION 2022


受賞歴

2010年11月 ・・・ 村上隆賞GEISAI TAIWAN#2




その場所にやどる様々な記憶、空気感、透明感を感じながら制作しています。

やがては、すべてが均質な世界となってしまう、その前に、

領域が境界線を浸食し合う、束の間の現在という瞬間に、

すべてを透過する光を捉え、描きたいと思っています。

・・・

旅に出るという行為は、日常とは違うもう一つの人生の時間を過ごすことだと感じています。新たに旅を始めるとき、前回の旅の終わりで一旦中断されていたもう一つの人生が、改めて再始動されるように私は感じます。

今まで、何度も旅をしてきましたが、旅は、私という人間に少なからず影響を与えてきました。学生時代の終わりに、初めての海外旅行で南米を訪れました。その旅行中、今までの常識は多くの部分で通用しませんでした。旅を続けるために、現実を自分で最初から知覚し認識し直すことが必要でした。そこで目にした光景は、鮮やかで神秘的で私の心を大いに魅了し、そして残りました。こうした体験から、私は特に絵を描くにあたり、科学やその他の常識を一旦排除して、物事を、世界を、全ての感覚を駆使して自分なりに解釈し直してみるという姿勢が生まれたのだと思います。

そして、今度はその旅行が終わり日本に帰った時は、今まで当たり前に見えていた日本的なものが、より誇張されて見えるようになりました。それまでは普通に見えていたものが、いささか異様でありながら、しかも、より魅力的に見える様になりました。そして自分はそれが非常に好きなのだと気付きました。自分が日本人であるという自覚を強く持つようになりました。そのような「和の心」は、私達の身の周りの景色だけでなく、様々な文化、たとえば、現在のサブカルチャー、漫画、アニメ、ラノベ、映画、音楽等の中にも色濃く見受けられます。

こうした文化の影響を強く意識することは、前述の「科学やその他の常識を一旦排除して」、という姿勢とは矛盾する様にも見えます。「和の心」は大好きですが、一旦その土台を疑う心も持つこと、そうしないと新しいものは生まれてこないと思います。私の場合は、当たり前のように周りにあったと感じていた頃、「和の心」は、それほど興味深くはなかったのです。それが一旦外に出てみて、初めてその良さに気が付いたという過程があります。外の景色を見てから、一旦常識が吹き飛ぶような体験をし、初めて客観的に見えた、「和の心」が好きだったのです。ただ、客観的に見ようとしてもとめどもなく圧倒的に魅力的なのでした。これは日本人なのだから仕方ありません。

そして、2010年代からは、旅行先の大半は台湾になります。それ以来、今まで何度も訪れました。アートに関わる旅行が多かったのですが、台湾旅行も私に大きな影響を与えました。自分の祖先のルーツの一部は台湾にありますが、自分のDNAの中の記憶を呼び起こす体験だったのだと思います。南国の自然とそこに根ざす文化は、私に強烈なインパクトを与えました。その中に、何故か懐かしさや、抗うことのできないような強烈な愛着を感じました。台湾での体験は私を新たな境地へと導きました。日本人とも共通する、台湾の人々の金魚を愛でる文化などをみるにつけ、今では、自分は日本人という意識だけでなくアジア人だという意識が強くなりました。

私は、日本、台湾の文化の良さを意識した作品を描こうとしていますが、日本、台湾、の文化の中にある良さを見つけていけるようになったのは、私の場合、対象を客観的に見る機会が生じた結果なのでした。だから、同時に、全ての常識を一旦排除して一から解釈し直す、という姿勢も私にとっては依然として重要なことに変わりはありません。